大人が楽しめるマンガ「アルキメデスの大戦」の紹介です。ネタバレが気になる方はご注意ください。
映画の公開が2019年7月26日(金)に決定している、「アルキメデスの大戦」。天才数学者の櫂直(かい ただし)が、日本を破滅に導く大型戦艦「大和」の建造を阻止しようと、様々な知略を尽くして戦うという物語です。
映画の方は、宣伝も活発にされているし、主演も菅田将暉ということでヒットしそうな予感ですね。楽しみです!
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1933年(昭和8年)満州事変がおこり、第二次大戦へと突入しようかという時期が舞台。
新たな軍艦の建造をめぐり、海軍首脳部で対立がおきます。
片方は見栄えが良い日本帝国軍の威容を示す超大型戦艦(戦艦大和)を提示する「平山案」。
もう一方は、小型で小回りが効き、航空機の魚雷に耐えられる厚い装甲をもった武骨な「藤岡案」。
「平山案」は見栄えもよく、しかも建造費の見積もりが破格に安いため、大いに大臣の気を引く。
どちらの案を最終決定するのかは、2週間後の会議で決定することに。
破格に安い建造費のうそを暴きたい「藤岡案」派は、 帝大をワケあって中退した天才数学者、 櫂直(かい ただし)に目をつける。
櫂の役目は「平山案」の正しい建造コストを計算すること。しかし、資料は非常に限られ入手も難しい。
しかも、天才数学者とは言っても、戦艦の建造についてはずぶのシロウト。
はたしてたった2週間という短い期間で建造費を計算することができるのか?
櫂は何か行動を起こさなくてはいけないと、着任早々、横須賀の鎮守府に向かい「戦艦長門」に乗り込みます。
そして、貴重な資料入手のため、ミッションインポッシブルのトム・クルーズばりの機転を利かせます。
さらに、子ども時に父からプレゼントされた巻き尺で、巨大な「戦艦長門」の測量を始めます。
小さな巻き尺一つでいったい、何ができるというのでしょうか?
(2巻に続く)
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櫂は巻き尺で測った数字と手に入れた資料をもとに、「平山案」の戦艦の設計図を作ることを始めます。
本当にこんなやり方で、設計図が作れるのでしょうか?
「平山案」派は、櫂が家庭教師をしていたという尾崎財閥との関係に着目。
尾崎家の若い女中から、櫂についてのスキャンダルを聞き出すことに成功した「平山案」派。
スキャンダルの真偽のほどは定かではありませんが、その情報をもとに怪文書を海軍省内に掲示します。
「藤岡案」派の櫂を貶めることで、ことを有利に進めようとしたわけですね。
もちろん怪文書が事実でないことをきっぱりと櫂は断言します。
しかし、面倒を嫌った永野大将は櫂と、少し距離を取った方がよいのではないかと一歩後退してしまいます。
そうこうしながらも、櫂はあっという間に平山案の戦艦の設計図を完成させます。
設計図はできても、建造コストを計算するには部品などの価格表が必要です。
国家機密につながる戦艦の価格表はそうそう簡単には入手することができませんが、はたしてどうするのでしょうか?
ここで救世主として、民間造船会社の鶴辺という社長が登場します。
名前でわかるかと思いますが、お笑い界の大御所そっくりです。映画ではご本人が出演しているようです。
この鶴辺社長の協力で、コスト計算のメドが立ちます。
しかし、メドが立ったと思ったら今度は、「平山案」派の妨害工作です。
なんと1週間後だった、新艦建造計画の決定会議が急きょ、翌日16時間後に早められることになります。
さすがの櫂もこの時間で、コスト計算を完了させるのは無理があるでしょうか?
ここで、櫂の抜群の数学能力が発揮されます。
後は計算を残すのみとなりましたが、会議が始まってもまだ計算は終わりません。
必死に会議を長引かせようとする 「藤岡案」派 と、早く終わらせようとする「平山案」派。
刻々と減っていく時間の中、櫂は驚異的なスピードと集中力で冷静に計算を進めていきます。
なんとも息詰まるシーンで読んでいても、ドキドキ感がたまりません。
コスト計算は完了しましたが、「平山案」派は当然、簡単にそんなものを認めるはずもありません。
そこを見事にクリアする櫂(本当にこんなの計算できるのでしょうか?)。
最後には、「平山案」派と尾崎財閥の関係を示唆し、会議は紛糾します。
(3巻に続く)
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結論が出ぬまま紛糾する会議。
建造計画とは関係ない、下世話な話でお互いを罵りあう海軍中枢部の面々。
たぶん、ここは数少ない「クスッ」と笑うシーンです。
「平山案」派の見解をことごとく論破していく櫂。
ところどころに素早い計算を入れて、論理的に反証していく、まさに天才数学者ですね。
ちなみに、櫂の口癖のひとつは、「数字は嘘をつかない」です。
この辺りの応酬はぜひ、マンガで実際に読んでみてほしいところです。
櫂は決め手として「巨大戦艦を作れば国は必ず亡びる」という、歴史的事実を突きつけ「平山案」派に止めを刺しに行きます。
ところが、平山の思わぬ反論によって、平山案の採用に大きく傾きかけます。
傾きかけますが、この土壇場で櫂が『ある重大な事実』に気づき踏みとどまります。
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なんとか「藤岡案」の採用に漕ぎつけた櫂。
祝勝会の料亭で櫂は「佳ツ世」と懇意になります。
その後、仕事帰りには佳ツ世のもとに足しげく通うようになります。
ところで、映画の公式ページでも佳ツ世役のキャストが誰なのかがわかりませんね。
まあ、菅田将暉の相手役なので、サプライズでもあるのでしょうか?
そういえば、櫂は女性にも大変モテるという設定です。
佳ツ世との甘い時間を過ごしているうちに、海軍では重大な海難事故が発生します。
会議で決め手となった『ある重大な事実』が、実際に事故につながってしまったのです。
そして、事故を起こした艦船の設計者は○○さんでした、、、、。
なんとも皮肉な展開です。
そしてこの事故の結果が、さらなる打撃を櫂に与えてしますことになります。
(第4巻に続く)
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海難事故の防止のため、櫂は計算しなおした修復案を作成する。
この修復案を平山側に手渡せば、再び「大和」の建造がクローズアップしてしまう。
しかし、櫂は苦渋の決断を下し修復案を平山の部下に手渡す。
櫂の計算した修復案は完璧だった。
平山は修復の陣頭指揮を執り、その結果、海軍内部での地位、発言権を増大させることに成功。
「大和」建造に向けて、大きなアドバンテージを得る。
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しかし、このままで手をこまねている櫂ではありません。
今度は航空機に着目します。
大型戦艦の時代は終わり、海上での航空戦が新しい有効な戦術であることを証明する必要があったからです。
そこで、航空司令官のおなじみ山本五十六少将を訪ねます。
すると、まさに櫂にとってはうってつけの情報が手に入ります。
海軍は現在、次期主力戦闘機の開発に乗り出しているさなかだったからです。
櫂は、早速、試作機の作成を推し進めている三菱に赴きます。
そこでは天才設計家の堀越に出会います。
堀越とはその設計思想において、大変意気投合します。
しかし、一点だけ重大なポイントで櫂と堀越の見解は食い違いを見せてしまいます。
櫂にとっては航空母艦へ乗せる、艦載機として優秀であることが絶対条件です。
これでは三菱の戦闘機に期待することはできません。
櫂は、自分の理論を取り入れた機体を作成するため、海軍内の航空廠に目をつけます。
ここで、試作機を作りコンペに参加しようというのです。
そのためには航空機の設計も櫂がやる必要がありますが、、、、。
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海軍の航空廠で指揮を執るのは、坂巻大尉です。
しかし、坂巻は全くやる気がなく、昼間から酒を飲んで博打を打っている始末。
ここで、櫂は坂巻をあおりまくり、設計図を見てもらうために、ポーカーで勝負を決めるという賭けに応じます。
まあ、数学の天才にポーカーで勝負するというのもアレですが、、、。
櫂は期待通りに、その天才ぶりを発揮します。
ここは、天才数学者・櫂のいつもの見せ場ですね。坂巻に対するあおり方も含めて、とてもおもしろく楽しめます。
そして、何とか設計図を見てもらう約束までは取り付けます。
※映画のPVで出てくる「えっ、何で測らないの?」というシーンですが、この坂巻をあおったときの内容の一部を、映画向けに変更を加えているようですね。確かに、映画でやると○○指定とか付きそうですしね、、、。
(5巻に続く)
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櫂の設計した機体には、やはりコンペに参加する中島のエンジンを載せる必要がありました。
ライバルのエンジンを借り受けるという発想がすごいですが、凡人にはほとんど不可能に思えますよね。
その上、坂巻との約束で中島の了解を取り付けるにはわずか10日しかありません。
中島飛行機へと取り次いでももらえる人脈を考えた櫂は、外務省の丹原課長を通じて、陸軍の東條少将のもとを訪れます。
東條は特に条件もつけず、中島と懇意の永田少将への口利きを約束します。
淡々とした風情の東條ですが、別れ際には「借りは必ず返してもらう」と、凄みます(本の帯に描かれている顔、こわっ)。
あの東條のことですから、今後、とてつもない難題が降りかかってきそうです。
東條からの依頼をしぶしぶ引き受けた陸軍の永田少将。
東條のメンツをつぶさないためだけに、櫂と面会をします。
しかし、櫂の巧みな話術にはまり、その話の内容に興味を覚え、最後には中島への口利きを約束します。
この辺りの交渉術が櫂の真骨頂ですね。とても見ごたえのある一幕です。
ここまで、順調にきましたが、最後にしておそらく最大の難関はやはり中島飛行機ですよね。
ライバルに自社のエンジンを提供するなんて、普通は会社として認めるはずがありませんから。
しかし、ここは直接、櫂が手を出せる場面ではありません。
まさに運を天に任せて、中島からの連絡を待つしかありません。
(第6巻に続く)
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中島からのエンジン提供の件で、中島の本社に赴く櫂。
そこで、エンジン提供を決定的にするきっかけを作った、設計者の小山に出会います。
小山は何よりも、パイロットの安全を優先した機体を設計にこだわっているいことを話します。
そのことに大きな感銘を受ける櫂。
航空廠に戻った櫂は、坂巻に機体の安全性を高めるための設計変更を伝えます。
しかし、簡単には認めない坂巻。何しろ時間がない上に、試作機の操縦性能も低下してしまいますからね。
もちろん、櫂も決して妥協はしません。
まるで、日本のスティーブ・ジョブスです。
機体の性能からコンペでの苦戦が予想される海軍廠の試作機。
敵に勝つにはパイロットの技術で補うほかありません。
そこで選ばれたのが「バラバラの八神」。
しかし、この八神を選んだ結果、やっとギリギリで間に合った試作機はコンペ前にまさにバラバラにされてしまいます。
もうあきらめるしかないのか?
しかし、櫂は逆転の発想で、坂巻以下、航空廠のみんなをやる気にさせます。
さらに、この場面ではさすが天才数学者と思わせる櫂の姿が今回も描かれています。
そして、ついに審査会前日まで、話は進みます。
が、そこでもまた思わぬ誤算が、、、、。
ピンチに次ぐ、ピンチ。
今回は、どうやって櫂はこの窮地を切り抜けていくのでしょうか?
(7巻に続く)